遺産分割審判とは、審判は裁判に類似した手続です。
裁判所が審理する点、裁判所が結論を出す点、裁判所の結論に強制力が生じる点は、裁判と共通したものとなっています。
ただし、裁判所が自発的に調査する建前をとっている点、非公開手続としている点などで、裁判とは異なります。
当事者の話し合いで解決ができない状況でも遺産分割を解決することができます。
当事者が裁判所が出した結論に異論を持つ場合でも、審判が確定すれば、審判の結論を覆すことができなくなります。
裁判官が出した結論に納得できない場合でも、審判が確定すれば、審判の結論を受け入れざるをえなくなってしまいます。
遺産分割調停が不成立の場合、自動的に遺産分割審判に移行します。
制度上、遺産分割調停を申立てずに、いきなり遺産分割審判を申し立てることもできます。しかし、そのような場合、職権で遺産分割調停に付されるのが通常です。
争いとなる事柄に関して、各当事者が、書面をもって事実や法律に関する主張をし、証拠を提出します。
裁判所が職権をもって事実を調査する建前が取られていますが、自らにとって有利な判断を求めるためには当事者が積極的に主張・立証をしなければいけません。
遺産分割審判後、裁判所の出した結論に不服がある当事者は裁判所から告知を受けた日(書記官からの交付送達か書留送達を受けた日)の翌日から2週間以内であれば高等裁判所に不服を申し立てることができます。
高等裁判所への不服申立てのことを即時抗告といいます。即時抗告の申立先は審判をした裁判所になります。
即時抗告を申し立てると、高等裁判所が即時抗告に理由があるか否かを判断します。
【遺産分割審判を桜風法律事務所へご依頼いただくメリット】
審判手続において、法律や判例を意識した的確な主張を行い、証拠を提出することは非常に大切です。的確に主張し、証拠を提出するためには、民法の条文やその解釈、判例を知ることが必要でありますが、これは容易なことではありません。
たとえば、遺産分割調停において、よく主張される内容に次のようなものがあります。
「特定の相続人だけが被相続人から生前に贈与を受けているから、生存贈与を受けた相続人の取り分は生前贈与を受けていない相続人よりも少なくするべきである」という主張です。
これは特別受益に関する主張にあたります。裁判所が特別受益を受けたものと判断した場合には、特別受益を受けた人物の遺産の取り分は特別受益を受けた分だけ少なくなります。しかし、特別受益を受けたという判断を受けるためには、生前贈与があったという主張をするだけでは足りません。
生前の贈与があったことの他に判例が示す要件を満たす事情があったことまで主張して、その証拠を提出する必要があるのです。判例の示す要件を把握して、要件に沿った事実の主張をして、証拠を提出することは簡単なことではありません。
また、遺産分割審判が必ずしも自分にとって有利な内容になるとは限りません。遺産分割協議や遺産分割調停で解決した方が有利になっていた可能性もありえます。ただし、遺産分割協議や遺産分割調停において提案された内容で解決をした方が良いのか、遺産分割審判まで持ち込むべきか、判断が困難な状況はありえます。
桜風法律事務所は、遺産分割審判において、法律を意識した的確な主張を行い、依頼者の利益にとってなるべく有利になるように努めております。また、遺産分割協議や遺産分割調停で解決するべきか否かをアドバイスすることも可能です。
遺産分割のことでお困りの方、いつでもご相談ください。